このところ、組織のリーダー、トップの資質について考えさせる出来事が相次いでいます。
安倍、福田と2人の総理大臣が相次いで1年ほどで政権を放り出す異例の事態になったかと思えば、今度は国技の大相撲の世界でも、ついに大麻を吸引した外国人力士が逮捕され、その問題を収拾出来ない北の湖理事長が、相撲界内外から厳しい批判の嵐を受け、辞任に追い込まれました。
何事につけ、上下関係と慣例に従い穏便に済ませてきた相撲界にとっても、異例と言える反乱の動きが出ました。
本来トップの座につくべき器ではない人物がトップに座るというのは、大変不幸な事です。
名選手が必ずしも名監督になれるわけではなく、逆に現役時代よりも監督になってからの方が、華々しく名を上げた人は多くいます。
相撲界の場合も、いかに北の湖氏が横綱としては立派な成績を残したといっても、日本相撲協会という大きな組織を動かしていくには、相撲の実力とは異るマネジメント能力が必要になるわけです。
ましてこれが一国の総理大臣となれば、暗愚な人物がトップになると、国民生活全体、経済全体がトバッチリを受け、将来的な国家の命運をも左右しかねないわけですから、甘ったれたひ弱なボンボンや、品性下劣で社会常識に欠ける、おバカな人物など、絶対に総理大臣になっては困るのです。
アメリカのように、国民が直接リーダーを選ぶのであれば、厳しい審査や批判をくぐり抜けて磨かれるわけですが、日本のように、これまた程度が疑われる議員たち同士で身内から選ばれるシステムでは、どんなバカでも総理大臣になることが可能で、極めてリスキーです。
この点は身内だけで固まっている閉鎖的な相撲界もまったく同じです。
一般企業でも学校でも何でも、大なり小なり組織というのは、トップの資質はとても重要です。バカなトップのために泣くのは下の人たちですから。しかも、バカなトップは、えてして批判を許さない息がつまりそうなムードを作りたがるので、尚更事態が深刻化していきます。
『論語』の中の有名な言葉、「信なくば立たず」。
孔子は言いました。「たとえ軍備が貧弱でも、食糧が足りなくてもなんとかなる。だが国民が政治家、政治を信頼しなくなったら、その国は必ず滅んでしまう」
およそトップに立つ者は、とにかく信頼を失わないようにすることが最も大切なのです。実務は部下に任せられますが、信頼出来ない上司のために、部下が真剣に働くわけがありません。今の政治家も、相撲協会の理事長も、信頼されるべく動かなかった。バカなトップは、もう願い下げです。
