2009年が幕を開けました。今年は1929年の世界恐慌突入から80年目にあたりますが、私は引き続き厳しい年になるとみています。
お釈迦さまは、人間には四苦八苦の苦しみがあると説きました。合計8つの苦しみは、とどのつまり「思いどおりにならないこと」を意味しています。
生老病死。生まれて、老いて、死んでゆく。途中で思いもかけず病気になる。まことに人間の一生は自分ではどうしようもないのです。
どんなに愛していても、いつか何らかの理由で別れる日がやってきます。生きているうちに別れるか、死に別れか。
皆と仲良くしたいと思っていても、一生のうちで誰ともケンカしたことがない人間なんていないでしょう。
あれが欲しい、これが欲しい、ああしたい、こうしたいと思っても、願ったとおりに何でも叶いますか?
このように、人間というのは自分の努力や願いだけではどうしても越えることが出来ないものを背負っているのです。
ただ、越えられるか越えられないかは、やってみなければ分らない。だから努力しなくてはならないし、必死に願い、祈ることも大切なのです。
若い人ほど夢を持つ。それは良いことです。大きな夢、大きな志を持つことは、とても大切です。
でも、そこでひとつ考えてほしいことがあります。誰もが自分の望みどおりの生き方が出来るわけではないということを。
最近の親は子供を甘やかして、「お前のやりたいことが見つかるまで就職しなくてもいい。家にいてもいい」と平気で言いますが、とんでもないことです。
自分の子供が、必ずやりたいことに巡り会って、幸せになれると本気で思っているとしたら、大変な脳天気であり、こんなことを言われた子供は、逆に居心地の良さを捨てられずに自立できず、引きこもりとなるでしょう。
「自分探し」などと甘ったれていないで、目の前に突きつけられた現実と、真っ正面から戦うことの方が先決です。
自分のやりたいことを見つけるまで、フラフラしていたら、何ひとつ向上しません。それよりも「やりたいことと、やるべきことは別」とわきまえて、今なすべきことに全力で取り組み、経験によって自分を磨き、スキルを高めていくことが、よほど大切です。
日本人は今まで平和と豊かさに甘えすぎていました。生命力を失ってしまったのです。昨年から一気に不景気の大寒波に見舞われているのは、天の配剤であり、サバイバル能力が問われているのです。
私たち日本人が失ってしまった、「努力」「根性」「忍耐」という大事な精神を取り戻さなければなりません。甘えている者は消えていくことになるでしょう。